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オリフィス流量計算

ISO 5167

同心オリフィスによる流量を計算します。準拠規格はISO 5167 / JIS Z 8762とAPI MPMS 14.3 / AGA-3から選べます。

準拠規格

β比(d/D)= 0.500

質量流量

28075.5kg/h

体積流量

28.08m3/h

流出係数 C

0.6081

レイノルズ数 Re

6.337e+4

β比

0.500

流れDD:配管内径dd:開口径P1(上流)P2(下流)ΔP = P1 − P2

qm = Cd・Ev・Y・(π/4)・d²・√(2・ΔP・ρ1)

Cd:流出係数(Reader-Harris/Gallagher式)

Ev:接近速度係数(1/√(1-β⁴))

Y:膨張係数(非圧縮性流体は1)

d:オリフィス開口径

ΔP:差圧

ρ1:上流密度

※流出係数Cdはレイノルズ数に依存するため、収束するまで反復計算を行う

準拠規格:ISO 5167-2:2003(Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices — Orifice plates)/ JIS Z 8762-2 (ISOと同一の数値係数を用いる日本産業規格)。フランジ/コーナー/D-D2タップに対応。

オリフィス流量計算とは

オリフィスプレート(絞り板)は、配管内に開口部をもつ薄い板を挿入し、流れを絞ることで生じる上流・下流の 差圧から流量を求める、最も広く使われる差圧式流量計測法です。ベルヌーイの定理により、流れが絞られると 流速が増して圧力が下がるため、差圧ΔPと流量には ΔP ∝ 流量² の関係が成り立ちます。構造が単純で安価、 可動部がなく信頼性が高いことから、プラントの流量計測・オリフィス流量計の設計に不可欠です。 本ツールは同心オリフィス(concentric orifice)を対象に、質量流量・体積流量・流出係数C・ 管内レイノルズ数・β比を算出します。

計算式と流出係数

質量流量は qm = C · Ev · ε · (π/4) · d² · √(2 · ΔP · ρ1) で表されます。ここでCは流出係数、 Ev = 1/√(1 − β⁴) は接近速度係数、εは気体の膨張補正係数(液体では1)、dはオリフィス開口径、 ρ1は上流条件の流体密度、βはオリフィス開口径と配管内径の比 β = d/D です。流出係数Cは縮流や摩擦の 影響を補正する係数で、Reader-Harris/Gallagher式によりβ比・レイノルズ数・タップ位置から算出されます。 Cはレイノルズ数に依存し、そのレイノルズ数は求めたい流量そのものに依存するため、本ツールでは 固定小数点反復法によりCと流量を同時に収束させています。同心オリフィスのCは概ね0.6前後の値をとります。

ISO 5167 / JIS Z 8762 と API MPMS 14.3 / AGA-3

本ツールは2つの準拠規格を選択できます。ISO 5167-2(およびこれと同一の数値係数を用いるJIS Z 8762-2)は、 コーナータップ・フランジタップ・D-D/2タップに対応した国際標準で、化学・石油・一般産業で広く使われます。 一方、API MPMS Ch.14.3.1 / AGA Report No.3は、北米の天然ガス取引計量で標準的に使われる規格で、 ISOとは異なる回帰係数を用いる独自のReader-Harris/Gallagher式(フランジタップ限定)と、 上流基準の膨張係数Y1を採用しています。同じβ比・レイノルズ数でも両規格で流出係数がわずかに異なるため、 用途や取引要件に応じて適切な規格を選択してください。

β比と適用範囲

β比(絞り直径比)は流量計測の精度に大きく影響します。βが小さすぎると差圧が過大になり永久圧力損失が増え、 βが大きすぎると流出係数の不確かさが増大します。ISO 5167-2はβを概ね0.1〜0.75で規定していますが、 実用的な推奨範囲は0.2〜0.75で、本ツールもこの範囲を外れると警告を表示します。気体を扱う場合は、 差圧比 ΔP/P1 が膨張係数式の適用範囲(API方式では0〜0.25)を超えないことも確認してください。 なお、ISO 5167-2に規定される小口径(呼び径D<71.12 mm)の補正項は本ツールでは省略しているため、 小口径では参考値としての精度に留まる点にご注意ください。

レイノルズ数の適用下限と高粘度・低流量流体

流出係数Cを与えるReader-Harris/Gallagher式は、実験データに対する回帰式であり、 その回帰の土台となったレイノルズ数の範囲を外れると保証されません。 ISO 5167-2は管内レイノルズ数 ReD の下限を規定しており、β ≤ 0.56 では ReD ≥ 5 000、 β > 0.56 では ReD ≥ 16 000 · β² を満たす必要があります。高粘度の油やスラリー、 あるいは設計流量に対して管径が大きすぎる低流量域では、この下限を下回りやすくなります。

ReD が下限を下回る領域では、オリフィス板前後の流れが層流ないし遷移域に近づき、 縮流の様相そのものが変わるため、Cの不確かさが規格の想定(概ね0.5〜0.7%)を大きく超えます。 本ツールは計算結果としてレイノルズ数を表示しますので、必ず上記の下限と照らして確認してください。 下回る場合は、オリフィスではなく低レイノルズ数域に適した絞り機構 (クォドラントエッジオリフィス、コーン形絞り、あるいは容積式・コリオリ式流量計) への変更を検討することが実務的な解決になります。

なお本ツールは、流出係数Cとレイノルズ数の相互依存を固定小数点反復で解いています。 極端な低レイノルズ数域では反復が収束しないことがあり、その場合は結果に 「流出係数の反復計算が収束しませんでした」と表示されます。この表示が出た結果は使用しないでください。

計装計算を組み合わせて設計する

オリフィスは差圧を生じさせるため、恒久的な圧力損失(永久圧力損失)が発生します。系全体の圧力配分を 検討する際は、配管圧力損失計算でオリフィスを含むラインの損失を評価してください。また、同一ラインに調節弁を設ける場合は、調節弁 Cv計算で弁に配分できる差圧を確認し、オリフィスと弁の差圧配分のバランスを取ることが、 安定した流量制御と計測精度の両立につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. β比はどの範囲にすべきですか?
ISO 5167-2ではβを概ね0.1〜0.75で規定しますが、不確かさを抑える実用的な推奨範囲は0.2〜0.75です。 本ツールもこの範囲外で警告を表示します。
Q. ISO 5167とAPI/AGA-3の違いは何ですか?
回帰係数と膨張係数の式が異なります。ISOはコーナー/フランジ/D-D/2タップに対応、API/AGA-3は フランジタップ限定で北米の天然ガス計量に用いられます。
Q. 流出係数Cとは何ですか?
理論流量に対する実流量の比で、縮流や摩擦を補正します。同心オリフィスでは概ね0.6前後で、 β比・レイノルズ数・タップ位置に依存します。

※ 本ツールの計算結果は参考値です。取引計量など高精度が要求される用途では、規格原典と有資格者による 検証を必ず行ってください。詳しくは免責事項をご確認ください。

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